STUDIO LUMIERE  

「 定点撮影に時の流れを思う 」

定点撮影(同じ場所から、時間を変えて写真を撮る)という手法があります。
時の経過を客観的に見せてくれる、写真ならではの技法です。
特別なイベントが写っていなくても、なぜか引き寄せられ、見入ってしまうのは
限られた時間を生きている人間の体内時計が覚醒するからでしょうか。

301022 Kさん、自宅の窓から定点撮影にトライしてくれました。
朝、昼、夕暮れ、夜。かな?
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「朝(アシタ)には紅顔(コウガン)ありて夕べには白骨となる…」
なぜか、受験勉強をしていた頃の一文が思い浮かびました。
朝見かけた時には、あんなに元気だったのに、夕方にはこんな変わり果てた姿になってしまった…。
人生何が起こるか分からない。諸行無情であることよ。と、
なにやら恐ろしげなこの一節、詳しくは和漢朗詠集や蓮如の御文で引っぱってみて下さい。

朝、目が覚め、忙しく日中を過ごし、夕ぐれ時に家路を急ぎ、夜には眠りにつく。
とりたてて意識することもなく繰り返してきた時の流れ。
夕べに白骨を見ることなどあろうかと。ところが、歳を重ね、幾たびも白骨を目にすると、
立ちどまり、注意深く辺りを見渡すようになるのです。流れは立ちどまった時にこそ強く感じるものです。
若いみなさんにはあまり「ピン」とはこないと思います。
「ああ、年とるとそうかもな。」と心に留めてもらえればじゅうぶんです。
「やりたいことがたくさんあるのに人生って短すぎるよ~」なんて、
若い人の発想じゃないよね。きっと。

「…雲にかくれり~人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり~
一度生を享け… 」の織田信長や、
「露とおち 露と消えにし わが身かな 難波のことも 夢のまた夢」の豊臣秀吉、
精神的にも物理的にもいい歳ですものね。

お・ま・け・
はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに 小野小町 
こちらは、いい歳(失礼)だったかどうかは…。
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さくらでなくて、時節、あじさい。
ながめせしまに(長雨せし間)ならこれもまた風情。
いろが、うつりにけりな…それが大人の魅力にはならぬのでしょうか。
女ごころとはむずかしいのですね。
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by mooriyan | 2015-06-12 20:20 | mooriyan